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ドコモ MVNO 日本通信→IIJmio→OCNと渡り歩いてみて。

 もうかれこれ数年、スマートフォンは、ドコモMVNOのデータ通信用SIMカードで運用しています。キャリアのパケット定額サービスを使ったのは、最初の1ヶ月くらいです。そこで、これまでのニーズの変化とドコモMVNOを利用した感想などを、綴ってみたいと思います。

とにかく節約 日本通信 b-mobile U300(2010年頃)

 2010年のことです。ドコモで数年ぶりに、Sony EricssonがXPERIAを引っさげて復活すると聞いて、ソニエリファンとしては、条件反射的に機種変モードになりました。この時、大きな考え違いをしていました。

「WIFI使えるし、メールの送受信くらいなら、大してパケ代いかないだろう。キャリアメールは使えないみたいだけど、iモード.net契約して、iMoniとかいうアプリでなんとかなるみたいだし...」

ガラケーのWIFIが使える機種の進化版みたいな勝手な想像です。機種変更した請求額を見ると、

「うわっ!ペリアの料金、高すぎ...?」

当時は、パケホーダイダブルという2段階定額で、月初2~3日で上限張り付きでした。

  • ドコモバリュープランSS:980円
  • iモード/moperaUライト:315円
  • パケ・ホーダイ ダブル:5985円
  • iモードnet:210円
  • ケータイ補償 お届けサービス:399円
  • 計7889円

その他に通話代や端末代が掛かります。初月から危うく1万円超えという笑えない事態に直面しました。コツコツ貯めてたドコモポイントは頭金とやらに消え、

「ぐぬう~どこも」

といった感じでした。支出割合の大きいパケット代をカットするため、次月からモバイル通信を遮断して、公衆無線LANのWIFI運用に切り替えました。

「iPod touchのソニエリ版と思えば...」

電車に乗っているときは、音楽聞いて、マクドナルドやスタバで、ちびちび弄っていました。これではXPERIAの存在価値みたいな魅力が半減です。やはり通信してなんぼの端末です。
そこで、話題となっていた日本通信のSIMカードを使ってみることにしました。これはデータ通信のみで、通信速度は300kbpsに制限されています。その代わり、月額2980円で利用できるというものでした。小型ガラケーSO902iにSIMカードを戻して、通話とiモードメールを使い、XPERIAは日本通信のデータ通信用SIMカードで運用するというスタイルです。当時は、端末購入サポートというパケット契約と端末の割引が紐付られていない施策でしたので、パケット定額を外すのは容易でした。このとき、壊れたり、紛失したら、それまでと腹を決め、保険やオプションはすべてカットしました。使ってみると、

「あれっ体感カワンネ」

当時のドコモ本家3Gは、電車のなかや繁華街では輻輳(ふくそう)が多発し、M(メガ)bps出ることは稀で、せいぜい500kbpsでした。また、XPERIAのバッテリーライフが低かったため、2台持ちしていた方が何かと安心でした。手間は音楽プレイヤーを持ち歩くのと、さして変わりません。ネットに繋がるウォークマンか、手のひらサイズのVAIOを持ち歩いているような感覚でした。画面を見ながら電話ができるし、1台持ちより使い勝手が良くなりました。

  • ドコモバリュープランSS:980円
  • iモード/SPモード:315円
  • 日本通信U3007ヶ月for IDEOS:約2128円(14900円を1ヶ月換算)
  • 計3423円

日本通信U300の6ヶ月のプリペイトタイプで、オマケで1ヶ月ついてくるものがあり、半年に一度購入して使うことにしました。こうして2台持ち生活が始まりました。

さらなる節約 日本通信 イオンSIMプランA(2011年12月~2012年5月)

 日本通信のイオンSIMは、2011年6月に発売されました。通信速度は100kbpsに制限されるものの、月額980円という価格設定には、衝撃が走りました。イオンSIMにすることで、さらに維持費を抑えることができます。早速、7ヶ月SIMの終了後に、イオンの家電売場に直行です。

「これで、夢の維持費2000円代に突入か...」

  • ドコモバリュープランSS:980円
  • iモード/SPモード:315円
  • 日本通信イオンプランA:980円
  • 計2275円

2000円代まで、通信費を節約することができました。これには満足いく結果でしたが、

「まっ、こんなもんだな」

日本通信のU300 for IDEOS用やイオンプランAは、プロキシに強制接続され、ストリーミングや音声プロトコルは遮断されます。困ったのは、当時使われ出したLINEやカカオトークといったVoIP系のサービスです。掛かってきても、下りストリームが遮断されているため、会話が成立しません。

「あーごめんかけ直す」

とトークを送り、ガラケーを使っていたら、何のために月額を引き下げているのか、分からなくなります。また、日本通信はWebアクセレータという特有の高速化アクセスツールがあります。Webアクセレータは、高速化を図るとともに、JPGやGIFなど画像は圧縮され、劣化します。

「こないだベトナム行った時の写真~」
「なんか、ボケてるぅw」

オンライン上のフォトアルバムで写真を管理する時代になると、劣化した画像を常時閲覧することになります。これでは、何のために解像度の高い端末を選んでいるか分からなくなります。しかしながら、日本通信はMVNO黎明期にパケット通信費を引き下げ、市場を切り拓いた功績は大だと思います。

通信品質の高さ IIJmio高速モバイルD(2012年6月~2013年12月)

 IIJmio高速モバイルDは、2012年2月に登場しました。月額945円で128kbpsのLTE通信ができ、下りストリームを遮断していません。しばらくレビュー記事などを参考にして、様子を見ていました。上々な滑り出しのようです。そこで、IIJmio高速モバイルDに乗り換えることにしました。料金プランは、高速モバイルD、ライトスタートプラン、ファミリーシェアプランの3種類と、シンプルで分かりやすく、月額は980円から945円に若干下がります。

「おっ、違うぞコレ!」

パケットの引っかかりもがなく、スムーズに通信できます。これまで、閲覧することができなかったYouTubeやRazikoなど、ストリームを使うサービスが利用できるようになりました。特に、LINEの音声通話やIP-Phone Smartなど、VoIP系のサービスが使えるようになったのは大きいです。LINEがデファクト化してきたことで、暖めてきたキャリアメールの解約に踏み切れました。

  • ドコモバリュープランSS:980円
  • IIJmio高速モバイルD:945円
  • 計1925円

「大変満足ですv」

さらに、2013年には、128kbpsから200kbpsへ増速され、高速化容量が500MB使えるようになりました。IIJmioには、高速化容量を切り替えることができるクーポンスイッチというアプリがあります。ある程度の帯域幅が必要なサービスと、パケットが降りて来さえすれば良いサービスとで、回線速度を使い分けることができます。このアプリが絶妙で、IIJmioの強みにもなっています。
また、待望のSMS(ショートメール)対応SIMカードが発売されました。ドコモMVNOには、持病ともいうべきセルスタンバイ問題があります。アンテナピクトが表示されなかったり、圏外時間が発生したり、バッテリーライフに影響を与えたりといった事象です。端末やファームウェアとの関連もあり、必ず発生するという訳ではありません。SMSはセルスタンバイ問題の解決策となります。端末をRoot化して、ゴニョゴニョ弄くることもなくなりました。
特筆すべきなのは、カスタマーサポートがテンプレではない、しっかりとした回答がいただけることです。当時は運用で試行錯誤が続いていたため、Twitterで情報がリアルタイムでやりとりされているのは、動向を見るうえで心強かったです。地味ながらもマジメな会社といった印象です。IIJmioは、安かろう悪かろうになりつつあったMVNOサービスの品質を向上させ、市場の成長に貢献した意義は大きいです。

プランの柔軟性 OCNモバイルONE(2014年1月~)

OCN モバイル エントリー d LTE 980は、2013年4月に登場しました。OCNモバイルONEは、その後継ともいうべくサービスで、10月に開始されました。最近は、スマートフォンやタブレットが複数あり、使用する場面で使い分けるような利用スタイルになっています。端末を追加する都度、SIMカードを新規契約するのではなく、一契約でSIMカードを追加していくようなサービスが望ましいです。IIJmioは、シンプルな料金プランそのものが魅力でもありますが、その半面、複数端末で運用する際、プランの柔軟性に欠けます。OCNモバイルONEの料金プランは、パケット従量が選択でき、SIMカードの追加が容易です。

「SIM、一丁追加~」

的な使い方ができます。利用状況によって、追加したり、廃止したりできます。

  • ドコモバリュープランSS:980円
  • OCNモバイルONE 30MB/日:980円
  • 容量シェアSIM料金:472円
  • SMS対応SIMカード:126円
  • 計2558円

インターネットの楽しみ方は、100人いたら100通りあり、昔からあるメールやブラウジングのほかに、最近は、SNS、オンラインストレージ、音楽、動画など、サービスが多様化しています。私はGoogle Play MusicやRazikoなどの音楽ストリーミングサービスを楽しむのが、キラーコンテンツになっています。

「アレ、もう容量ないや」

OCNモバイルONEは、30MB/日の高速化容量が割り当てられますが、電車を降りる頃には、すでに枯渇しています。サイトの閲覧など高速化して使いたいときに利用できません。このあたりの使い勝手は、高速化容量を切り替えて使うことができるIIJmioに軍配が上がります。100通りの使い方があるので、サービスの特徴と自分の求めるニーズをうまくマッチングさせることが重要です。OCNは知名度の高いプロバイダーです。OCN参入後に友人からMVNOサービスについて、尋ねられることが多くなりました。一部の層だけでなく、幅広い層に向けて、認知度を高めた功績は大きいです。


こうして見ると、ドコモMVNOは競争が激しく、サービスの多様性が増してきました。通信品質や利用者が求めるサービスなど、健全な競争をしている印象があります。そもそも、この話、ドコモの料金施策から始まったのですが、皮肉なことに、ドコモ本家のARPU(Average monthly Revenue Per Unit:携帯電話の月額料金)は、15年以上の契約期間のなかで、2010年に瞬間的に頂点に達し、以降、最低水準になりました。モバイルIP電話の通話品質が向上し、端末メーカーがSIMフリー機の販売に踏み切るなど、条件が揃えば、スマートフォン時代は、MVNO事業者が新たなキャリアになる可能性があります。これまでの垂直統合型ではなく、通信に特化したキャリアです。端末やアプリケーションは、それぞれの分野で水平分業した製品やサービスを使うイメージです。もう、そうなってんじゃんみたいな話もありますが、音声通話と端末の流通が抑えられているので、なかなかドコモは辞められません。

ARPU - Wikipedia : 
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