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KDPの概要~Amazon Kindle ダイレクト パブリッシング で出版してみた。


最近は、スマートフォンやタブレットの普及で、電子本を読む環境も整備されてきました。個人でも電子本が出版できるサービスで、Kindleダイレクト・パブリッシングがあります。私もご活躍されているブロガーさんや、個人でご出版をされている方の刺激を受け、早速KDPにトライしてみました。ブログを執筆されていたり、作家やライターを目指している方は、チャレンジしてみると、面白いと思います。セミナー資料やテキストなどの有料販売も、手軽にできます。今回はその概要です。

手順

  1. Kindle ダイレクト パブリッシングのアカウントを取得する。
  2. 電子本を作る。
  3. 電子本の登録をする。
  4. 審査を受ける。
  5. 自分なりのマーケティングをする。
アカウントの取得は、銀行口座の登録や出版に必要な情報を入力します。電子本の作成は、新たに書き下ろしても、既存の紙データを電子化しても良いと思います。当たり前ですが、著作物を製作するので、他人のコピペモノはダメです。引用も常識的に考えます。審査はKindleストアで販売する規格を満たしているかです。電子本の登録は、内容紹介や価格などを決定します。特にマーケティングは、本の売れ行きと利益を左右するので重要です。どんな方に読んでいただきたいかを考えるのですが、知り合いに勧めるとか、専用サイトをつくるとか、自分なりのマーケティングを実行します。出版されたら、プロ本と同じ土俵に登ります。編集の入ったプロ本とは、クオリティで勝負にならないので、個人本ならではの強みで勝負します。個人本の場合、身近な人に薦めやすいテーマや、オリジナリティのあるニッチな話だったりすると、差別化できると思います。

作成


Kindleダイレクトパブリッシャーで作成するファイルは、Kindle独自形式の.mobiになります。その前段階のファイルは、電子書籍のデファクトになりつつある.epubが望ましいです。mobiとepubは構造的に似ているので、変換処理をする際のエラーも少ないです。エディタで作成したファイルの再現性も高いです。MS Wordでもできなくはないですが、目次や見出し、内部リンクなどで、エラーが出やすいです。mobiに変換したファイルを、Kindleアプリで確認作業を行います。これを、Kindleダイレクトパブリッシャーでの審査をへて、出版する流れになります。

  1. エディタで編集
  2. mobiファイルに変換
  3. KDPの出版審査

エディタ

EPUBを作成するエディタは、sigil、carible、一太郎、InDesignなどがあります。縦書本やルビ入りをお考えの方は、エディタの検討が重要になります。私はsigilで作りました。Project Hosting on Google CodeにあるオープンソースのEPUB Editorです。バージョンアップも随時されており、HTMLのWebサイトを作るような感覚で使えます。表紙はPhotoshopで作成しました。GIMPでも、Paint.netでも使い慣れたものなら、なんでも良いと思います。画像処理の作業が発生したので、ピクセルサイズを一括処理する「縮小専用。」が役立ちました。

コンパイラとビューワー


作成したファイル.epubを、Kindle形式の.mobiにコンパイルします。コンパイラはKindleGenを使いました。ビューワーはKindle Previewerです。.mobiへのコンパイル処理もでき、閲覧する端末ごとに確認できます。KDPのサイトにアップロードするとき、下記ファイル形式は、コンパイル処理されます。
  • Word  (docまたはdocx)(注: 日本語の本の変換は試験的に受け付けております)
  • HTML  (圧縮されたHTMLのzip、.htmまたはhtml)
  • ePub   (epub)
  • XMDF  (圧縮されたXMDFのzip)


サポートされているファイル形式

ツール

手持ちのスマートフォンやタブレットの実際の画面で確認するときは、パーソナルドキュメントに送り、閲覧します。

  • 端末からKindleアプリでアップロードする。
  • メールでの添付ファイルにする。
  • Send to Kindleを使う。

Amazon.comのアカウントと、.co.jpのアカウントを統合させると、.comで提供されているツールが使えます。アプリ経由やメール添付ではなく、Send to Kindleを使うと、作業性が高まります。


Send to Kindle

作業時間と出版

作業時間は1週間ぐらいでした。エディタの操作に慣れるまでが大変で、校正には、かなり時間がかかりました。読み返すと「てにをは」の使い方や誤字脱字が多かったです。編集という作業は、まさにプロのワザだと思います。こうして完成した電子本が「Nexus 7 を使ってみた。 (サイゴンのうさぎ) [Kindle版]」です。内容的には、ブログを御覧頂いた方には既読になりますが、公開したページのなかで、皆様にご支持いただいたポストを集めて、加筆訂正しました。ブログ版は軽めの口調表現を使っていますが、Kindle版は本らしい表現にしました。パーツを集めて全体的なストーリーを組み立てる作業です。メンテナンスは、内容紹介や価格、電子本の修正も可能です。随時更新可能なのが、Kindle電子本のメリットです。


ロイヤリティの受取り

ロイヤティの受取には注意が必要です。支払い手続きはAmazon.comになるので、米国の源泉徴収と銀行口座への入金時にリフティングチャージがかかります。源泉徴収額は30%、リフティングチャージは2000~4000円ほどです。そこで、米国源泉徴収免除の手続きとリフティングチャージ回避策をとるのが賢明です。



無事、Kindle作家の仲間入りを果たしましたが、電子本はWebサイトやブログのように、手を入れていくと、完成度が高まります。売上を上げていくためには、これからマーケティングの要素も重要になります。作業的にはホームページを作る作業に似ています。あえてホームページという半ば死語を使いましたが、2000年頃に流行ったようなビジネスも、これから出てくるかもしれません。編集や校正といった人の目が必要な労働集約的な作業が入るので、収益化するには課題が多いと思います。


by カエレバ
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